| ◇2001年11月27日◇ |
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店長「今日はロックマンシリーズと鬼武者のプロデューサー、稲船敬二さんに突撃インタビューです。こんにちは、それではよろしくおねがいします
」
稲船「よろしくおねがいします」
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| ■アクションゲームってマニュアル車なんですよ |
店長「じつはわたし、稲船さんにお叱りを受けた事があるんですよ。ちょうど去年の11月くらいの鬼武者発売の頃、はじめて名刺交換していただいた時にわたしが、7800円は高いのではないですか、現場ではもう少し安くしてくれたら売り易いのに、と食ってかかったら「あなたはアクションゲームを疎んじていませんか?RPGだったらこの値段でも納得するのに、何故アクションゲームだったらそう言う発言があるんですか?」と言われたのが非常に印象に残っています。ものすごいアクションゲームにプライドを持っていらっしゃるんですね」
稲船「そうですね、まあ逆にいっちゃえばアクションしか作れないというか(笑)アクションゲームって昔は全盛だったんですよね。それがまあドラクエとかFFとか、RPGというものが出てから変わりましたよね。
僕、いろいろな事を車に例えたりするのが好きなんですけど、アクションゲームってマニュアル車なんですよ。いろいろ自分でやるのが面白いっていうか。RPGってオ−トマ車なんですよね。運転する楽しさはあるんですけど、邪魔くさいとこを全部取っちゃってくれてる訳なんですよね、運転だけに集中できるように。
本来運転てのはギアを切り替えたり、そういうのも含めて面白いっていうものだったんですけど、やっぱり今の車社会見てもオートマチックが主流で、一部スポーティな車だけがマニュアルっていう・・やっぱりゲーム業界もそうなっちゃってるんですよね。
今はシューティングゲームがほとんど消え去りかけて、アクションゲームだけが残って、マニュアル車の面白さを一部残してる、みたいな。でも昔からのよさってのは持ってるじゃないですか。それを否定するというんじゃなく、アクションにはアクションの、RPGにはRPGのよさってあるじゃないですか。それを混ぜ合わせたゲームも当然ありますし。
その中で「鬼武者」では、アクションの面白さをどこまで追求できるか、いかにオートマが好きな人でも受け入れられるマニュアルにするか、というのに賭けてるところがあります。」
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| ■頭いいんですよ(笑) |
稲船「 やっぱり僕の中でアクションゲームのMAXって50万本だと思っているんですよ。で、鬼武者が100万いったっていうのを考えると、ただのアクションゲームじゃないんだってとこが受け入れられたんだなあって思います」
店長「鬼武者って未だコンスタントに売れてるんですよー」
稲船「7800円でね(笑)」
店長「お店としては非常にありがたいですね(笑)。でも、残ったらすごい恐いから(笑)」
稲船「競争相手の多いなかで7800円にする価値のあるゲームだという自信はありましたしね。で、今回の鬼武者2は売りにくいってことを反省して6800円で出しますんで。コスト的には同じくらいかかってますし、自信無いわけでも当然ないですから。
PS2が出て2年位ですか?ソフトも揃ってきてみんな6800円で揃ってきてるとこにカプコンだけが7800円で出すのは失礼だろう、と。でも本当は7800円で売りたいんですよ。お金かかってるし(笑)。でもやっぱり沢山のユーザーに触ってもらいたいってのもあって、という判断ですよね。これも迷ったんですけど」
店長「1000円違うとお客さまの印象もかなり違いますしね」
稲船「安ければ売れるか、ってのでもないんですけどもね」
店長「それはそうですけども。実績があるシリーズだから、逆にもっと広げたいためには今回のお値段というのは非常にありがたいです。考えられてるなと思いました」
稲船「でしょ!頭いいんですよ(笑) 今回も7800円でくるなと思ったでしょ!」
店長「(笑)」
稲船「お金は前以上にかかってますね。制作費自体はまあ前作は3年かかっちゃって、今回は1年半から2年の間で作っちゃってるんで多少安くなってはいるんですけども、それ以外のとこでのコストダウンってのははかれなくて、全然安くなってないですよ。やっぱ薄利じゃないですか、だから多売でいこう、と。だから前作100万、今回は最低150万いこうって僕は目指してます」
店長「読んでますかみんな、今回150万本目指してますよ。1000円安くなったんで、みんな買いましょう」

稲船「でも自分の中で最低は150万なので、本来目指してるのは200万ですよ!いろんな事情を考えると厳しいのはわかってるんですけども、不景気だからっていいソフトが売れないのはやりがいがないじゃないですか。納得いかない。ダメなソフトが不況の影響で売れないのはいいんですよ。それは駄目なソフト作ってる側の責任ですから。いいものは値段が高くでも買ってくれるし、そういうものをカプコンが出していきたいじゃないですか。年に何本か」
店長「何本か(笑)。それじゃあ他機種でまた出していくのですか?」
稲船「まあ他機種かどうかわからないですけど、出していきたいですねえ」
店長「カプコンさんってお得意じゃないですか、ちょっとかえて他機種に出すのが。ファンの方は全部買わなきゃいけないという(笑)」
稲船「幻魔鬼武者は大分違いますよ。まあX-BOXが売れないとね(笑) 販売店さんもそこがわからないですよね。幻魔は前作鬼武者より面白いですよ。今鬼武者やると反省点いっぱいなんで、そこを生かして作り変えてっていう。例えばヒット作を作りました。で、それにすがりついて満足して「俺は鬼武者の稲船なんだよ」って言い続けるんじゃなくて、シリーズも続けて、さらに違うものも作っていける幅広い人間になりたいじゃないですか。やっぱアクションにこだわっちゃいますけどね」
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| ■ロックマンが好きな人=アクションゲームが好きな人 |
店長「でもアクションにこだわりをもって作ってらっしゃるからこそ、ロックマンのような長寿シリーズを作り上げたんですよね」
稲船「もう15年になりますよね。僕のゲームクリエイター歴と同じですね。僕がはじめて作ったのがロックマンですし。ロックマンが15年だっていわれたら、ああ僕は15年ゲームを作ってきたんだなって、かみしめますね」
店長「ロックマンは最初はどういうアイデアで生まれたんですか?」
稲船「最初は、自分が子供の頃にみてたロボットアニメみたいな世界観でアクションを作りたいなって。ロボットアニメって無くなりかけてたんですよね、ガンダムが出てきてから。もうみんなそっちの方向にいっちゃって、子供のロボットアニメじゃなくなりつつあったんですよね。子供が未来に対して抱く夢がどんどん現実現実してきて、小さくなっていって。で、僕たちが見てたのはリアル路線じゃなくて、夢がある、というか子供っぽいロボットアニメだったんです。やっぱり世界制服をたくらむやつをやっつける、みたいな夢をね。そんなゲームを僕は出したかったんですよ」
店長「あの頃、ロックマンの「撃つ」っていうアクションが新鮮でしたよね。マリオでも当時あまりなかったですから。それにハマったお子さんから「手ごたえ十分」って声がありましたからね」
稲船「ロックマンが好きな人=アクションゲームが好きな人ですからね。アクションの面 白さをわかる人に対してロックマンを作り続けてきたっていうのがよかったんでしょうね」
店長「ロックマンエグゼはまた違いますよね」
稲船「コロコロコミックさんとのメディアミックスを考えて作りましたからね。アクションにこだわり続けると幅がどんどん狭くなっちゃうんですよ。アクションをやらないのなら、あなたもうやらなくていい、みたいに」
店長「ほんとにその通りです。わたしなんかもうアクションはついていけなくて(笑)」
稲船「子供たちにやってもらいたいんですけど、昔は極端にいえばアクションゲームしかなかっけど、今は幅広いじゃないですか。
だから反射神経鈍い人はアクションやらなくていいんですよ。
でもやっぱりそういう人にもやってもらいたいから、エグゼではアクションは単純化しつつ、データカードや対戦の面白さを取り入れて、より幅を広げようと。
携帯ゲームにそのままロックマンをもってくると多少無理がでちゃうんですよ。携帯ゲームだからこそ考えられたエグゼなんですよ。アクションの面白さを分かってる人で携帯ゲームをもってる人だけじゃなくて、アクション苦手な人にも面白さをわかってもらいたいです。ポケモンがうまく広げてくれたとこを僕らは更に広げていきたいですね」
店長「やはり他のゲームも研究なさるんですよね」
稲船「当然ですね。ヒットしてるしていないに関わらず。逆にヒットしてるからプレイしないってものありますね。僕ファイナルファンタジーはやってないんです。
売れてるんだから分析する必要ないだろうって。何がいいんだとかじゃなくて全体的にいいんだろうって。
逆にすごく面白いって評価が高いのに売れて無いとか、何故だかわからないのに売れたソフトとか、そういうのを分析しますね。もちろん中身だけじゃなくてメーカーの売り方とか小売店さんへとの連動とかも。そのへん気になるじゃないですか」
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店長「カプコンさんは今年一年、鬼武者から非常にいいスタートを切りましたよね。年末もガンダムで締めくくると言う」
稲船「今年もいいんですけどね!来年もいい年にしたいです」
店長「鬼武者はこれからもシリーズ化、しますか?」
稲船「どうですかね(笑)?子供たちのソフトの長寿化と大人のソフトの長寿化は違うんですよね。やっぱり子供たちっていうのは新しい世代がどんどん入ってくる。初めてゲームをするとしたら最初にやるのがロックマンであってほしいですね。
別にそれがロックマン1じゃなくていいんです。5でも6でも。で、過去の作品もあとでやってみたいなって思ってもらえるものが子供のソフトじゃないですか」
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| ■アクションゲーム製作ってノウハウなんですよ |
店長「わたしどこかで聞いたんですけども、アクションゲームを作るときには動詞を並べるって聞いたんですよ。転ぶ、とか走る、とか。どうやって作られてるんですか?」
稲船「ははぁ。・・アクションゲーム製作ってノウハウなんですよ。アクションゲーム作った事ない人がいくら考えてもアクションゲームは作れないんですよ。紙の上で完璧なもの作ったとしてもそれは完璧にならないんです。
配置した敵が1ドット前か後ろかで難易度が全然変わるんですよ。全部予測して置くんです。ここでプレーヤーはジャンプするだろう、その先に敵がいたら邪魔だろう、ならばこの敵を倒さなきゃならないだろう。そういう仮説を勘で置いていくんです。そこらへんがアクションゲームをしない人は仮説を立てれないんですよ。どういったらどう動くっていうのが」
店長「もう職人芸の域ですよね」
稲船「そうですね、ロックマンタイプのゲームはそういう感じですね。鬼武者の場合はそこまで細かく考える必要はなくって、演出がたくさん入ってきてきもちよくチャンバラできると」
店長「そういうところはファイナルファンタジー的要素も入ってるんですね。一般の方も一杯入ってこられたのがそこなんですね」
稲船「エグゼなんかもマニアックにやろうと思えばいくらでもできるんですけど。でも1ドットにこだわらずに、甘めに見てるっていう。だから間口は広いんですよ。でもロックマンX6とかになるとそうはいかないんですよ。いつも買ってくれる人に合わせて。だから難しいんですよ。
アクションゲームって、作り続けなきゃいいものってできないですね。一旦アクションってジャンルを捨てちゃって、何年かしてからもう一回アクションゲームを作るってなると、勘を取り戻すのに時間かかっちゃいますしね」
店長「では極端な話で、パズルゲームとかRPGとかを作りたいってそういう気持ちはないんですか?」
稲船「クリエイターによってはあるんでしょうけど、僕は自分をわかっているっていうか、一つのことをやるしかないと思うんですよ。例えば野球選手がサッカーやって点取れるかって・・スポーツ選手だからって、なんでもできるっていうのは違うじゃないですか。
当然、普通の人よりはそこそこやれると思いますよ、でもRPG制作に僕が飛び込んでいって、スクウェアさんみたいなものが作れるかというと、難しいと思うんです。
逆にいうとスクウェアさんが突然アクションゲームで挑んできても負けないっていう気持ちはあるわけですよ。
いろいろやりたい気持ちはありますけど(笑)それはわきまえて。
RPGやってみようかなって言い出しても、いくらヒット作を作りだしてても、会社が『お前は無理』って言われたら駄目ですし(笑)」
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店長「今日はほんとうに勉強になりました。すっごく楽しかったです」
稲船「頑張って売ってください(笑)」
店長「はい、頑張って売らせていただきます。それでは、ありがとうございました」
稲船「ありがとうございます」 |
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